雪10cmは降水量何mm?

今年は日本海側で大雪、太平洋側は乾燥と、顕著な冬の天気が続いている。ところで先日、10cmの雪は降水量にすると何mmぐらいになるのかと知人に聞かれた。一般的な目安として「積雪1cmは降水量1mm」と言う。しかし、しんしんと見る間に積もっていく粉雪と、どかどかと降ってくる湿った雪では、同じ高さの積雪でも重さが違い、降水量も違うということは感覚的に分かる。はたしてどのくらい違うものなのか。
内陸でも日本海との距離が近く、例年よりも雪が多く降っている滋賀県彦根市と山形県山形市で、今月雪が降った日の気象データを見ると、
●彦根
降雪量 降水量 降雪量÷降水量 平均気温
16日 26cm 21.0mm 1.2 -1.3℃
17日 11cm 13.5mm 0.8 0.8℃
27日 7cm 13.0mm 0.5 0.9℃
●山形
降雪量 降水量 降雪量÷降水量 平均気温
16日 7cm 3.0mm 2.3 -4.8℃
17日 15cm 10.0mm 1.5 -0.9℃
29日 6cm 3.5mm 1.7 -3.3℃
(気象庁アメダスデータより。降雪量と降水量は一日の合計。降水量は雪を溶かして水にしたときの深さを測定)
彦根の27日と山形の16日は同じ7cmの降雪だが、降水量にすると4倍以上も違う。「降雪量÷降水量」は、降水1mmがおおよそ何cmの雪に相当するのかを表していて(雪水比:cm/mm)、「積雪1cmは降水1mm」の目安は雪水比1なので、それに比べてかなりの幅がある。また、気温が低いほど雪が高く積もっていることも表れている。
乾燥が続く地域では、そろそろほしいお湿り。でも、少しくらい雪が積もっても、こう気温が低いと降水量にしたら大して降っていないということがある。
ところで、降雪量と降水量の関係(雪水比)は、雪がどのくらい積もるかという予報でも重要なポイントになる。気象庁が発表する最大降雪量ガイダンス(降雪量を面的に予測)では、予想される降水量と雪水比から降雪量を求め(降雪量=雪水比×降水量)、予報官が修正を加えたものを発表している。雪水比は地上気温によって変化するが、それだけではなく、雪面の風による吹き払いや雪の圧密・沈降過程、雪密度の違いなどの他の要素も関係していて、雪水比と地上気温との相関関係にはばらつきがある。つまり、雪の積もり方は地上気温が少し違うだけで大きく変わるし、同じ気温でも他の要因でまた変わってくる。雪が何cm積もるかという予報が難しいわけだ。
(窪田和恵)






