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紅葉するのはなぜ?


[2010-11-25 14:10:05]

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各地で紅葉が見ごろになっている。今年は、夏の猛暑で葉が落ちたり傷んだりして、色づきが良くないという話を聞く一方で、京都では、紅葉前の気温が低かったことから色づきの良さが期待され、今まさに例年以上に見事に紅葉しているという。みなさんのまわりではいかがだろうか。
それにしても、赤や黄、橙、それらのグラデーション、どうしてこんなにさまざまな色に変化するのだろうか。そもそも、紅葉することは植物にとってどんな意味があるのだろう。


葉の中には、光合成を担うクロロフィル(葉緑素)という緑色の色素と、カロテノイドという黄色の色素がある。ふだんはクロロフィルの量が多いため、緑色に見える。秋になると、葉を落とす準備のため、葉と枝の境に離層(りそう)ができ、物質の流通が次第に妨げられる。
・赤色になる葉……光合成でつくられた糖が枝に流れず葉に蓄積され、その糖が葉の中の物質と結合してアントシアニンという赤い色素をつくる。
・黄色になる葉……離層ができると同時にクロロフィルが分解し始め、それまで隠れていた黄色い色素カロテノイドが目立つようになる。
・褐色になる葉……葉の中の芳香化合物が酸化され、複雑に重合して、フェロバンという褐色や赤褐色の色素をつくる。
葉の中でさまざまな色素が分解したり合成したりすることで、複雑な色合いを見せるというわけだ。


なぜ紅葉するのか。森林インストラクター協会に問い合わせると、その答えはまだはっきり分かっていないという。
ただ、紅葉は植物の生理学的に見ると、老化の初期過程に位置づけられていて、紅葉のあとに訪れる「落葉」には、葉に蓄積した老廃物を植物本体から廃棄して、厳しい冬に備えるという意味があると考えられているそうだ。


決着のついていないさまざまな考え方には、次のようなものがある。
・老化の過程でクロロフィルが分解して葉の光合成能力が落ちる。光合成だけでは利用しきれなくなった過剰な太陽光をカロテノイドやアントシアニンが吸収し、葉の光酸化障害を防いでいる。
・アントシアニンが生物に有害な紫外線や過剰な酸素を吸収している。
・葉の低温や乾燥といったストレスに対して、アントシアニンは細胞の浸透圧調節物質として浸透圧を高め、細胞から水分が失われることを防いでいる、などだ。(大学教育出版『博士教えてください 植物の不思議』より)


これらの考えから私なりに推測すると、葉っぱは光合成で栄養をつくると同時に、過剰だと有害になる太陽光や酸化から、木の幹本体を守る役目もしている。その葉を、植物にとって厳しい冬を乗り切るために仕方なく落とすが、休眠する準備段階で、まだ太陽光は強いが寒くなり始めるこの時期は、過剰な太陽光や酸化を防ぐため、それらを吸収する色素、また低温や乾燥のストレスを防ぐ色素をつくって対応している。そんなふうに思える。
(窪田和恵)

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