食虫植物の花盛り 壱町田湿地にて<3>
愛知県知多郡武豊町にある県指定天然記念物・壱町田湿地。
真夏のこの時期は、絶滅危惧種に指定されている食虫植物たちが花の盛りを迎える。
7、8日の湿地公開日、貴重な花々に会いに行った。
食虫植物・ミミカキグサの仲間は4種あるが、壱町田湿地では4種がすべて見られる。花は大きな方から、ホザキノミミカキグサ、ミミカキグサ、ムラサキミミカキグサ(環境省レッドデータブック・絶滅危惧Ⅱ類)、ヒメミミカキグサ(同・絶滅危惧ⅠB類)。
名前の由来は、すっくり伸びた茎に実がなると、その様子が耳かきに似ていることからきている。最も草丈の高いホザキノミミカキグサは10~30cmくらいになる。一方、ヒメミミカキグサの草丈はわずか1~3cm、花茎は髪の毛くらいの細さで、花の大きさはたった1mmほど。立っているのが不思議なくらいだ。ヒメミミカキグサは現在、全国で愛知県しか生育が確認されていないという。
ところで、ミミカキグサの仲間はどこで虫を捕えるのだろう。実は、地下にはった根で捕える。根に袋状の「補虫のう」があり、それが地中のプランクトンをスポイトのように吸い込む。貧栄養の環境を生き抜く賢明な仕組みだ。
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これは、シロバナナガバノイシモチソウ(愛知県の絶滅危惧ⅠA類)
草丈は7~20cm。葉の部分に腺毛(触手)があり、小さな昆虫が腺毛の先端の粘液に触れると、葉を湾曲させて獲物を抑え込む。そんな技をもっているとは思えないほど、白くかわいらしい花を咲かせる。きれいな花にはトゲがある、だろうか。
ほかに、5月終わりごろから咲きだしているトウカイコモウセンゴケや、食虫植物以外の湿地の植物たちも、今を盛りと咲きそろっていた。
今年最後の公開日は、9月4、5日。白い球のような花を咲かせるシラタマホシクサ(環境省レッドデータブック・絶滅危惧Ⅱ類)などが見られる。
※壱町田湿地(いっちょうだしっち) 愛知県知多半島中央部の海抜40m~50mのなだらかな丘陵地帯にある弱酸性の湧水湿地。1982年から始まった周辺の農地開発の際、湿地を含む11,000㎡を保護地に指定して周囲をフェンスで囲い、貴重な植物群落を保護している。
(窪田和恵)






