土砂災害への心がまえ
梅雨末期。各地で大雨が降っていて、気象庁は土砂災害や浸水への注意を呼びかけている。今回の雨で、九州や四国ですでに土砂災害が起きている。
土砂災害には土石流、がけ崩れ、地すべりなどがある。地すべりは、比較的緩やかな斜面が少しずつ継続的に動く現象だが、土石流とがけ崩れは不意打ちで襲ってくる。
近年、不意打ちで襲ってくる土砂災害として、『深層崩壊』という現象も聞くようになった。先月、あるテレビ番組も深層崩壊を取り上げていた。
深層崩壊とは、「山崩れ・がけ崩れなどの斜面崩壊のうち、すべり面が表層崩壊よりも深部で発生し、表土層だけでなく深層の地盤までもが崩壊土塊となる比較的規模の大きな崩壊現象」(砂防学会編『改訂砂防用語集』)と定義されている。大きなものだと、幅100m、斜面長100mにわたって崩れる。
昨年夏、台湾を襲った台風に伴う豪雨で発生した土砂災害は、深層崩壊だった。ハザードマップで安全とされていたなだらかな山が頂上付近から大きく崩れ、土砂がふもとの村を飲みこむ大災害となった。日本でも、深層崩壊は過去に何度も発生している。そして、近年の気候変化で局所的な豪雨が増加し、深層崩壊が起こりやすくなっているという。
こうした土砂災害から身を守るには、避難するしかない。土石流、がけ崩れ、深層崩壊は「不意に襲ってくる」ものの、その引き金は、一度に大量の雨が降ることだ。短時間にものすごい雨が降ったり、強い雨が2、3日も降り続いたり、いつもと違う大雨が降っていたら、避難の準備をする。テレビやラジオなどで積極的に情報を収集し、まわりの様子も監視する。そして、「何か変」と感じたら「自分の身は自分で守る」という覚悟で避難しよう。
土石流やがけ崩れは、発生前に前兆現象が起こると言われ、避難の目安になる。しかし、前兆現象が必ずしも起きるとは限らないという専門家もいるので、そのことも覚えておきたい。
こんなときは要注意!(土砂災害の前兆現象)
●土石流
・ふだん聞きなれない大きな音や異様な音が聞こえる(山なり、石のぶつかる音など)
・土や木の葉が腐ったような異様なにおいがする
・川の水が急ににごり、流木が混ざってくる
・雨が降り続いているのに川の水位が下がる
・火花や土煙が見える。山や樹木がざわざわと動く
●がけ崩れ
・斜面に割れ目が見える
・斜面から水がわき出る
・湧き出ていた水が濁る
・斜面から小石がパラパラ落ちてくる
・斜面にある樹木の根が切れるなどの音がする
(窪田和恵)






