「低温焼結磁器」で環境負荷軽減へ
[2010-03-05 14:16:04]
美濃焼で有名な岐阜県多治見市、土岐市、瑞浪市で、これまでよりも低い温度で磁器を焼き上げることで、エネルギー消費量と二酸化炭素排出量の削減につなげる技術の研究がすすんでいる。陶磁器産業から発信する環境負荷軽減と地球温暖化対策の一つとして期待が高まる。
一般的な磁器は1250度以上の高温で焼く必要があり、その過程でたくさんの化石燃料を必要とし、二酸化炭素も大量に排出してきた。そこで、愛知工業大学、土岐市立陶磁器試験場、地元の企業が協力し、1000度以下で強度の高い磁器を焼き上げる技術を開発しようと研究が始まった。1000度を下回ると、化石燃料の使用量が大幅に削減できるという。
これまでの研究で、板ガラスの廃材と石英を加えることで、900度~950度という低い温度で緻密に焼き上げ、焼き上げる際の製品の収縮率も抑えた強度の高い「低温焼結磁器」が開発できたという。従来よりも約300度低い温度で焼き上げることで、二酸化炭素排出量は約40%削減されるという実験結果も得ているそうだ。今後さらに改善を加え、来年の後半には製品化につなげたいという。
※この研究は、多治見市・土岐市・瑞浪市を対象にした文部科学省委託事業「環境調和型セラミックス新産業の創出」の一環で行われている。陶磁器産業で発展してきたこれらの地域は今、外国からの安い製品の流入や、燃料費・原材料費の高騰で深刻な受注不振となっている。そこで、環境に調和した新しいセラミックス産業をつくり出そうと、大学・研究機関・企業が共同で、研究と事業化に向けて取り組んでいる。記事の内容は、2日に土岐市で開かれた研究成果発表フォーラムで報告された。
(窪田和恵)






