弥生3月 生物が動き出すころ
3月は暦の上でも草木が芽吹き、動物たちが活動を始める時季だ。
動植物といえば、全国の気象台では、植物や動物の変化を観測する「生物季節観測」をしている。生物に及ぼす気象の影響や季節の進み具合を調べ、総合的な気象状況の推移を知るためだ。
観測している種目には規定種目と選択種目がある。規定種目は全国に分布し、どこの気象台でも観測できるもので、植物はウメ・サクラ・アジサイ・イチョウなど12種の開花や落葉など、動物はウグイス・キアゲハ・ホタルなど11種の初鳴きや初見を観測。選択種目は各気象台がその地域の気候や生活、産業と関連したものを独自に選んでいる。
選択種目をみるとユニークなものが多く、その土地の風景が想像できるようでおもしろい。
たとえば、札幌管区気象台ではライラックの開花、仙台管区気象台などではリンゴの花の開花を観測。新潟地方気象台では茶の発芽を観測しており、調べてみると、新潟はお茶の産地の北限という。動物では宇都宮や甲府地方気象台でトカゲの初見を観測している。トカゲは冬眠するため、冬眠から目覚めたトカゲを初めて見たころを記録することは、季節の推移を知る目安になる。以前はヘビの初見を観測している気象台もあった。
そして、やはり沖縄地方は特別だ。植物では沖縄県花のデイゴ、リュウキュウスミレ、タイワンヤマツツジといった本州にはない南国の花々を観測。動物では渡り鳥・サシバの初見、リュウキュウアブラゼミの初鳴きなど、聞いたことのない動物ばかりだ。
沖縄ではもう真っ赤なデイゴの花が咲き始めるころ。沖縄地方の気象台のホームページには観測している動植物の写真が掲載されている。ちょっとのぞいて、春たけなわの南国に思いをはせてみてはどうだろう。
● 3月の【二十四節気】七十二候
1日 草木萌え出ずる(草や木が芽吹き始める)
6日 【啓蟄】 蟄(すごもり)虫戸を啓く(冬ごもりしていた虫が出てくる)
11日 桃はじめて咲く(桃の花が咲き始める)
16日 菜虫蝶となる(青虫が羽化して紋白蝶になる)
21日 【春分】 雀はじめて巣くう(雀が巣を構え始める)
26日 桜はじめて開く(桜の花が咲き始める)
31日 雷乃(すなわち)声を発す(雷が鳴り始める)
(窪田和恵)






