師走の入り 今年は甘いミカン
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今日から師走。全国的に穏やかな師走の入りとなったが、北国や標高の高い地域では、モノクロのシーズンがすぐそこまできている。そんな中、温暖な気候の愛知県知多半島では露地栽培のミカンがきれいに色づき、太陽を浴びたオレンジ色が温かさを与えてくれている。
知多郡美浜町のあいち知多かんきつ出荷組合によると、ミカン栽培には実が成長する8月後半から9月の天候が大事で、この時期の雨量が少ないと実に糖分がのり、逆に多いと根が水をたくさん吸って、糖度が落ちてしまう。今年はちょうどこの時期の雨量が少なく、品質の良い甘いミカンに育ったという。また、ミカンの木は花と芽をつける年が交互に来るため、実をたくさんつける年とつけない年も交互に来るそうで、今年はその当たり年。私が訪れた美浜町の畑でも、たわわになったミカンが枝をしならせるほどだった。
ところで、ミカンの産地にいくと、山の斜面に木が植えられている景色を見たことはないだろうか。斜面は日当たりと水はけが良いため栽培に適していることもあるが、もう一つ「斜面温暖帯(山腹温暖帯)」というのが関係している。
気温はふつう標高が高くなるほど低くなるので、山頂よりも山のふもとの方が気温は高い。しかし、良く晴れた夜、放射冷却が進んで地表付近に気温の逆転層ができたり、重い冷たい空気が斜面を下って低いところにたまったりすると、ふもとよりも中腹付近の方が暖かくなることがある。これが斜面温暖帯で、昔の人はこのことを経験的に知っていて、寒さに弱いミカンを中腹付近で栽培したり、静岡県などではお茶を栽培してきた。
今年は消費の落ち込みで果物もなかなか売れず、写真を撮らせてもらった収穫作業まっただ中の農家の方も嘆いていた。日本のミカンは外国産のオレンジよりもフードマイレージの小さい‘エコ’な果物。風邪予防にビタミンCをたっぷりとって、この冬を乗り切ろう。
(窪田和恵)






