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雲の帯まいた南アルプス


[2009-11-26 14:25:05]

s-中腹付近に帯のように雲がかかった南アルプス.jpg
行楽日和となった23日、長野県側から見える南アルプスに、中腹付近にだけ雲が一直線に伸びた景色がお目見えした。まるで雪化粧した南アルプスが帯をまいたよう。連休最終日、観光客には思わぬ自然のおみやげができただろう。

写真は、南アルプスと中央アルプスにはさまれた伊那谷にある下伊那郡松川町から撮ったもの。地図で見ると南北約40キロにわたって、南アルプスの中腹付近にだけ雲が伸びており、その上には真っ青な空が広がっていた。私がこの景色を見たのは午前10時半ごろ。お昼近くになると、雲は少しずつ上昇しながら途切れ、徐々に消えていった。


どうしてこのような雲ができるのだろう。気象庁の天気相談所に聞いてみると、この雲は、上空の気温の逆転層の下に広がったものではないかとのことだ。高気圧の中では下降気流が起こり、上空の空気が下降すると気圧が高まって圧縮されるので温度が上がる。すると、普通は上空ほど気温が低くなっているのだが、そこには上空ほど気温が上がる逆転層ができる。この逆転層の下の部分で水蒸気を含んだ空気が冷やされて雲が発生すると、その雲は安定な逆転層にふたをされるようにして層状に広がる。太陽が高く昇り、地面が暖められて対流活動が始まると、雲の上の部分に凹凸ができて最後は積雲となって消えていくという。写真では雲の上の部分に少し凹凸が見られる。

実際に気象庁のホームページで、伊那谷に最も近いところにある観測点・名古屋における当時の上空の風を見ると、1800メートル付近に風向が変化するところがあり、ここに逆転層があったと考えられる。この逆転層が伊那谷にも伸びていたのだろう。


このような現象は、高い山に囲まれていて冷えた空気がたまるような場所で、移動性高気圧に覆われる秋や春に見られるという。私も、北アルプスの見える実家で何度か見たことがある。

空気が澄んで風景を見るには最適な季節。山に行く機会のある人は、刻々と姿を変える雲との共演をぜひ楽しんでほしい。
(窪田和恵)

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