ポーランド大統領機 墜落
4月10日現地時間10時56分(世界標準時:6時56分)、ロシア西部スモレンスク州の州都スモレンスクの北飛行場でポーランド共和国カチンスキ大統領らを乗せたポーランド空軍機が着陸直前に墜落、乗員乗客96名全員が犠牲となった。
新聞報道によると、当時は深い霧が出ており着陸は厳しい状況にあったようだ。
事故のあった飛行場の南8キロにある気象台では3時間毎に気象観測を行っており、事故直前の10時の気象データを見ると、南東の風3メートル・霧のため視程が500メートルしか無かったようだ。
事故前の7時、事故後の13時とも視程は4キロであり、事故の起こった時間帯のみ深い霧に包まれていたようだ。
気になるのは事故の原因だ。
スモレンスク北飛行場は軍用空港であり、民間航空用の空港に設置されているILS(計器着陸装置)は存在せず、GCA(着陸誘導管制)を使用していたものと思われる。
ILSでは滑走路の着陸点に導く電波が出ており、その電波を辿っていくことで滑走路に到達するものである。例えて言うと、目をつぶっていながら1本のロープを手繰っていくようなものだ。
GCAではレーダーで飛行機を監視し、着陸コースに乗るよう管制官が声で誘導する。そのため矢継ぎ早に「右」「やや上」「その調子、その調子」と声を掛け続ける。
例えて言うと、目をつぶっていながら声で誘導されるようなものだ。
GCAは日本でも自衛隊で日常的に用いられているし、世界的にも軍用空港で用いられているので、事故機のパイロットも慣れた着陸方法であったはずだ。
新聞報道によると「空港管制官が水平飛行に戻すよう数回にわたって指示したが、同機乗員が従わず墜落した」とのこと。天候が良ければ目視着陸も選べるがが、当時は深い霧が出ていたためGCAで誘導を受けていたことは間違いない。GCAに従わずに墜落したとはどういうことだろう? GCAに従わないことはありえないはず、機材故障でも起きたのか?
代替空港への着陸は選択できなかったのだろうか?
新聞報道ではモスクワか、隣国ベラルーシのミンスクへの代替着陸を提案したそうだ。しかしパイロットは拒否したとのこと、どちらも300キロ以上離れているためだからだろう。
実はスモレンスクはベラルーシとの国境近くにあり、国境を越えたところにビテブスクの街がある。ビテブスク空港はILSを備えており、大統領の訪問先のカチンの森まで約100キロ、A-141ハイウェイが通じている。さらに当時のビテブスク空港の天候は晴れだった。
ビテブスク空港でスモレンスクの天候回復を待つ、あるいはハイウェイで移動する方法は選べなかったのだろうか。
事故機のブラックボックス(ボイスレコーダー・フライトレコーダー)を解析することで、これらの疑問に答えが出るかもしれない。
今後の調査に注目したい。
(ジャイヴ川畑)
スモレンスクの過去天気
www.wunderground.com
ビテブスク空港の気象実況(100700Zが事故当時付近)
www.weather.uwyo.edu






