暴風シンシア 欧州に大被害
BBCニュースなどによると、2月26日から3月初頭にかけて低気圧シンシア(XYNTHIA)がヨーロッパを横断し、各地に大きな被害をもたらしたそうだ。
フランスでは50名以上の死者・行方不明者を数え、さらにポルトガル・スペイン・ベルギー・ドイツで犠牲者が出たそうだ。
低気圧シンシアの特徴は強い風。フランスのピレネー山中では秒速66メートル(時速241キロ)の風を観測したとのこと。パリのエッフェル塔でも秒速49メートル(時速175キロ)の風を観測したそうだ。
ハリケーンのカテゴリー5に匹敵する低気圧だったわけだ。
ドイツのベルリン自由大学気象研究所の天気図を見ると、26日に大西洋上で1005hPaの低気圧として登場した。ところが27日にはポルトガル沿岸に移動し980hPaと1日で25hPaも急成長、28日にはベルギー上空で970hPaと最発達した。
日本でいうところの「爆弾低気圧」に相当する発達だった。
その後、衰弱しながらバルト海からロシア北西部へと進んでいった。
気象庁の発表する北半球の高層天気図を見ると、北大西洋のヨーロッパ沿岸付近に上空の深い気圧の谷が描かれている。低気圧シンシアの発達に、この上空の深い気圧の谷も関わっていたのであろう。
ウエザー・アンダーグランド社のジェフ・マスターズ氏は、大西洋中央部からアフリカ沿岸を通ってスペイン沿岸部に暖かく湿った空気が流入し続けており、これが低気圧の強化につながったと発表している。
(ジャイヴ川畑)
ベルリン自由大学気象研究所の天気図
25日 http://www.met.fu-berlin.de/de/wetter/maps/Prognose_20100225.gif
26日 http://www.met.fu-berlin.de/de/wetter/maps/Prognose_20100226.gif
27日 http://www.met.fu-berlin.de/de/wetter/maps/Prognose_20100227.gif
28日 http://www.met.fu-berlin.de/de/wetter/maps/Prognose_20100228.gif
01日 http://www.met.fu-berlin.de/de/wetter/maps/Prognose_20100301.gif
02日 http://www.met.fu-berlin.de/de/wetter/maps/Prognose_20100302.gif

北半球500hPa天気図 27日(大西洋・ヨーロッパ沿岸部を抜粋)
左下が北極方面、5100と書かれている低気圧の左がアイスランド、さらにその上やや左にイギリス、ヨーロッパ大陸が描かれている。(南が上になるので「逆さま」に描かれているわけだ)
5100から右上にかけてが気圧の谷だ。






