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2008年06月24日

フィリピン フェリー事故と洞爺丸

フィリピン中部のシブヤン島近海で21日、乗員乗客800名以上を乗せたフェリー"MVプリンセス・オブ・スターズ号"(2万3824トン)が台風6号による高波のため転覆し、多数の行方不明者が出る事故が発生したようだ。

AP通信などによると、フェリーは事故前夜の金曜夜にマニラを出発、土曜日の午後にセブ島へ到着する予定だった。ところが航路半ばのシブヤン島近海でエンジンが故障、漂流を続けるうちにシブヤン島沿岸の浅瀬に座礁し転覆してしまった。
船内では午前11時30分ごろに救命胴衣をつけるよう指示があったが、その30分後に転覆、多くの乗員乗客は海に飲み込まれてしまったとのことだ。
当時の台風6号の進路情報を見ると、午前9時に事故海域付近を北西進しており、まさに台風直下で発生した事故だった。

この事故を聞いて思い出したのが、1954年台風15号(マリー)により転覆沈没した洞爺丸事故。
台風が接近しているにもかかわらず天候判断を誤り函館港を出航してしまった洞爺丸は、風が強まって来たため台風が去るまで函館港外に投錨し停泊したが、高波による浸水のためエンジンが故障し、錨を下ろしているにもかかわらず風に流され(走錨)、浅瀬に座礁・転覆してしまった。この事故により乗員乗客あわせて1155名が犠牲となった。

今回のフェリーもエンジン故障の前後に投錨し浅瀬への接近を防いでいたものと予想されるが、秒速38メートルを越える強風で走錨してしまい、浅瀬に座礁・転覆したことが容易に予想できる。

なぜ台風が接近する中、出航したのかは定かでないが、英ガーディアン紙などによれば出航時は雨も降っておらず、警報・注意報も最も低いレベルであった可能性があり、台風を甘く見ていた可能性もあるそうだ。
台風を軽視せず出航を取りやめていれば防げた可能性があるだけに、残念としか言いようがない事故だったと思う。
(ジャイヴ川畑)

2008年06月20日

黄砂汚染 人体への影響は?

ここ数日、中国大陸から飛来する汚染された黄砂が人体へ与える影響について、相次いで報道されている。

15日から17日にかけて神戸で開催された日本呼吸器学界で発表された鳥取大医学部の渡部仁成助教らの研究によれば、同大付属病院を受診したぜんそく患者への聞き取り調査で、黄砂飛来時に症状の悪化が見られたとのことだった。
鳥取砂丘からも砂は飛ぶが症状が悪化する患者はおらず、黄砂に含まれる有害物質がアレルギー反応を引き起こしたものと思われるそうだ。

また朝日新聞の報道によれば、金沢大の小林史尚准教授が中国・ウルムチであった国際会議において、黄砂がカビや細菌などの微生物を運んでいる可能性があると発表した。
中国・敦煌や金沢市などの上空の黄砂を分析したところ、各種のカビや細菌が発見されたそうだ。

花粉症対策でマスクやゴーグルなどをつける方を最近よく見掛けるが、これらの研究結果から黄砂についても同様の対策をとったほうがよさそう。これからはアレルギー対策のためには、花粉予報だけでなく黄砂予報についても意識したいものだ。
(ジャイヴ川畑)


黄砂バイオエアロゾルの越境的健康被害調査のためのサンプリング・同定に関する研究-小林史尚(環境省HPより)
http://www.env.go.jp/houdou/gazou/8501/9767/2738.pdf

米中西部の洪水 市場の影響は

アメリカ中西部では6日以降、各地で大雨が降り、河川のはん濫(ダムや堤防の決壊)による洪水被害が発生している。
米連邦緊急事態管理局などによると、被害はアイオワ、イリノイ、ミズーリなど中西部の10州に及び、24名が犠牲になるなどの被害がでているそうだ。
アイオワ州の国土安全保障局は「500年に1度」の洪水災害だとしている。

洪水に見舞われた地域は「プレーリー」とよばれる穀倉地帯で、とうもろこしや小麦がたくさん生産されることから「コーンベルト」「ブレッドベルト」などと呼ばれることもある。
近年ではバイオ燃料の主原料としてとうもろこしが使用されていることもあり、注目をあびている地域でもある。

この地域は1993年にも6月から9月にかけて不順な天候が続き、その時も穀物価格の上昇を引き起こしたが、今年はさらに悪い状況となっているようだ。
これら穀物が今回の洪水で大きな被害を受けてしまったため、シカゴ市場のとうもろこしの先物価格が18日には史上最高値を更新、8ドルを突破した。(数年前は2-3ドル程度だった)
これら穀物の価格上昇は、それを飼料にしている畜産物の価格上昇やその他の農産物(砂糖ほか)の価格上昇も引き起こしはじめている。

日本においては原油高や食用穀物の生産量の減少などの影響で、この春にも食料品の値上げが相次いだ。
今回のアメリカ中西部の洪水の影響で、さらなる値上げに繋がらないか心配だ。
(ジャイヴ川畑)


アメリカ過去天気図
6/2-8 http://www.hpc.ncep.noaa.gov/dailywxmap/pdf/DWM2308.pdf
6/9-15 http://www.hpc.ncep.noaa.gov/dailywxmap/pdf/DWM2408.pdf

2008年06月10日

過去50年間で最悪の豪雨(香港)

広東省・広西チワン族自治区など中国南東部や台湾南部などでは、梅雨前線の影響で6月に入ってから各地で大雨を観測している。
香港では6日から7日にかけて断続的に大雨となり、香港各地で洪水などの被害が出ている。

香港天文台(気象台)の観測では、7日に307.1ミリ、8日に130.8ミリ、2日間で437.9ミリの大雨となった。
6月の降水量の平年値が388.1ミリなので、2日間で1ヶ月分を上回る大雨となったのだ。
香港国際空港に隣接する大嶼山(ランタオ島)北部では、7日だけで400ミリを上回る豪雨となった。

香港各紙はこの大雨を「過去50年間で最悪の豪雨」と呼んでいる。
この豪雨で香港国際空港を離発着する航空機のうち351機に遅延や欠航が発生したとのこと。また香港各地の道路が冠水し、深いところでは二公尺(66センチ)に達したそうだ。
土砂災害も各地で相次ぎ、香港北部の屯門地区では20トンもの巨石を含んだ土石流が発生し、2名が犠牲になった。

現在では香港の雨は小康状態となっているが、今後も梅雨前線の影響で中国東南部に雨が降りやすい状態が続くため、これらの地域では大雨への注意が呼びかけられている。
(ジャイヴ川畑)


6月7日の香港各地の雨量(赤鯔角=空港島のすぐ下が400ミリ以上の地域)
http://www.hko.gov.hk/wxinfo/rainfall/rfmap24hrs06070000c.png

2008年06月07日

環境月間はじまる

6月5日は「環境の日」-これは1972年6月5日スウェーデンのストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められたものだ。国連では、1972年12月15日の日本とセネガルの共同提案を受けて6月5日を「世界環境デー」と制定している。
また6月の一カ月間は「環境月間」とし、全国で様々な行事が行われるようだ。

国連では世界環境デーの5日、潘基文事務総長が二酸化炭素排出量の削減・温暖化への取り組みの強化をを呼びかけた。

国連環境計画(UNEP)のホームページでは「CO2 Kick the Habit、Towards a Low Carbon Economy」(これまでの習慣・既成概念を捨て、低炭素社会を推し進めよう!」というスローガンのもと、さまざまな取り組み方法を紹介している。
例えば飛行機で旅行する際、お土産を買ってから飛行機に乗るのではなく、到着空港でお土産を買うことにより、ひとり当たり約20Kgの重量を減らすことができる。たったこれだけのことで、年間200万トンのCO2を削減できるという。

他にも
・目覚まし時計を電気式からゼンマイ式に変える:48g削減
・洗濯物を乾燥させるのに回転乾燥機から自然乾燥に変える:2.3Kg削減
・電動ハブラシを普通のハブラシに変える:48g削減
など、たくさんの取り組み方法が紹介されている。

個々のCO2削減量はとても小さいが、ひとりひとりの小さな積み重ねが温暖化の抑制へと繋がっていく。
読者の皆さんも身の回りを見渡して、CO2削減行動に取り組んでみてはいかが。
(ジャイヴ川畑)


「CO2 Kick the Habit: Towards a Low Carbon Economy」UNEPのページ
http://www.unep.org/wed/2008/english/

ハリケーンシーズン始まる

米国ハリケーンシーズンは6月-11月。今年のハリケーンは活発化すると予想されていることは2008年のハリケーン 活発予想で紹介した。今年は東部大西洋の海面温度が平年よりも高いため、ハリケーンが発達しやすいと予想されているからだ。

5月29日、熱帯低気圧がカリブ海西部に発生、31日には今年最初の熱帯暴風雨「アーサー」と名づけられた。
熱帯暴風雨「アーサー」はベリーズ(ユカタン半島の付け根に位置する、メキシコ南東部に隣接する小国)の北部に上陸、翌1日に衰弱・消滅した。
熱帯暴風雨「アーサー」による犠牲者は9名、被災者は10万人に上ると報道されている。

昨年のハリケーンシーズンも活発化するものと予想されていたが、終わってみると活発とはいえなかった。
今年のハリケーンシーズンはまだ始まったばかりだが、すでにカリブ海周辺では大気の擾乱が活発化しており、ハイチ・ドミニカ付近には次の熱帯暴風雨に成長するかもしれない雲域が広がっている。
どうやら今年はハリケーンの当たり年になるかもしれない。
(ジャイヴ川畑)