プーケット事故は天候のため?
タイ南西部のリゾート地、プーケット国際空港で16日午後4時(日本時間午後6時)ごろ、乗員乗客130人乗りのワン・ツー・ゴー航空のMD-82型旅客機が、悪天候の中で着陸に失敗し、大破・炎上した。
タイ政府などによれば、89人が犠牲となったとのこと。
プーケット国際空港は、東西に3000mの滑走路が延び、東端は海抜25m・西端は6mとわずかではあるが東から西に下っている。(中央部が両端より20mほど高いと一部報道であったが、実際には中央部が凹んで見える)
下っているといっても0.6%程度の勾配なので、離着陸にはほとんど影響ない。(日本の場合、航空法で1%まで認められており、日本国内の空港にはプーケットを上回る勾配を持つものもいくつか存在する)
また6基の風速風力計からなるLLWAS(低層ウインドシア警戒システム)も備えられている。設備としては申し分ない。
当時のプーケットの天候は、モンスーン(季節風)の影響でアンダマン海からの湿気を含む西寄りの風が吹いており、雨が降りやすい状況にあった。
飛行場気象実況(METAR)を見ると、午後4時(160900Z)ごろから雨(RA)が降り始め、視程が1000mに落ちていたようだ。風は270度(真西)から12ノット(秒速6m)だった。
報道では強い雨と風が影響しているとのこと。
しかしRAは並みの雨だ。風も12ノットとやや強めだが、正面から吹くため離着陸には影響しない。
視程も事故当時の1000mの半分、500mでも着陸可能だ。
むしろ事故当日正午ごろに強い雨(+RA)や22ノットの風を観測しており、事故時間帯よりもよほど悪天候だった。
現在のところ天候の影響が注目されているが、上記の観測記録だけでは天候が主原因とは考えにくい。
今後の事故調査次第では、操作ミスや機体の不具合などにも着目されるかもしれない。
(ジャイヴ川畑)
当時の気象実況
http://weather.uwyo.edu/cgi-bin/wyowx.fcgi?TYPE=metar&DATE=20070916&HOUR=24&UNITS=M&STATION=VTSP
事故時間帯の気象実況(抜粋)
VTSP 160930Z 27008KT 3000 RA SCT015 BKN110 BKN300 23/22 Q1006 2972
VTSP 160900Z 27012KT 1000 RA SCT015 BKN110 BKN300 24/23 Q1006 2973
VTSP 160830Z 24012KT 4000 SCT015 BKN110 BKN300 26/24 Q1006 A2971 VCSH NW
プーケット空港滑走路(手前から向こうに向かって着陸した)
http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Plane_takeoff_at_phuket_international_airport.jpg
事故当時の天気図(タイ気象庁)
http://www.tmd.go.th/programs/uploads/maps/2007-09-16_TopChart_13.jpg(地上天気図)
http://www.tmd.go.th/programs/uploads/maps/2007-09-16_07_UpperWind600m.jpg(600m天気図)
http://www.tmd.go.th/programs/uploads/maps/2007-09-16_07_UpperWind850.jpg(850hPa面天気図)





