雨の欧州F1GP 大荒れの展開に
2007年F1世界選手権第10戦ヨーロッパGP決勝が22日14時(日本時間21時)にドイツのニュルブルクリンク・サーキット(1周5.148Km:60周)で行われた。豪雨で赤旗中断にもなった大荒れのレースを、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・メルセデス)が2番グリッドからスタートし優勝した。
ポールスタートだったキミ・ライコネン(フェラーリ)は35周でリタイア、注目の新人ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)はパンクやコースアウト、タイヤ選択ミスで順位を落とし9位だった。
レース前は青空が広がる天候だったが、スタート直後から雨が降り始めドライタイヤを装着していたマシンは次々とタイヤ交換のためピットイン。あらかじめウェットタイヤを履いていたスポット参戦のヴィンケルホック(スパイカー)がトップを走る意外な展開となった。
その間にも雨が強まり、3周目の1コーナーでバトン(ホンダ)やハミルトンなど6台がコースアウトしてしまった。テレビで見ると、コースのあちらこちらに川ができ、1コーナー付近は一面、池のようになっていた。雨粒も大きくテレビでもはっきりと見えた。
4週目に入ったところで赤旗中断、約20分後に晴れ間が見えてきたためレースが再開された。
コースアウトしたハミルトンは、クレーンで吊り上げられコース上に復帰。レース再開直後にドライタイヤに履き替え勝負に出たが、まだ路面はあちこちで濡れており、ハミルトンは大きく順位を落としてしまった。
レース中盤を支配していたのはフェリペ・マッサ(フェラーリ)だった。しかし50周ごろから雨が降り始め、56周にアロンソがマッサを抜きトップに。そのままトップ・チェッカーを受け優勝した。
ニュルブルクリンクは、ドイツ西部・アイフェルの山間にある海抜500m以上に広がり、コース高低差が55.3mと地形の起伏を利用した見所の多いサーキット。山間にあることから霧が出やすかったり、夕立などに見舞われることが多い。
当時の近隣空港の気象実況によれば、ケルン・ボン空港やデュッセルドルフ国際空港、ビュッヘル空港、フランクフルト・ハーン空港などのも晴れベースだった。しかし最も近いケルン・ボン空港では14時ごろににわか雨を観測していることから、局所的な雨(夕立など)だったのであろう。
当時の地上天気図では雨をもたらすような低気圧や前線は近くには無かったが、上空5640m付近では北海からドイツに掛けて寒気が入ってきており、大気が不安定な状態であったようだ。
上空の寒気が引き起こした豪雨のレースは、タイヤや車両のセッティング・駆け引きで勝敗が分かれる結果となった。
気象予報士の筆者としては、各チームがどのように雨を読んだのか、大いに気になるところだ。
(ジャイヴ川畑)





