パイナップル・エクスプレス
パイナップル・エクスプレスと聞くと、ハワイのパイナップル畑を走る観光列車を思い出す方も多いかもしれない。ハワイ観光の定番アトラクションのひとつだ。
ところが気象用語のパイナップル・エクスプレスは、大きな災害をもたらす気象現象としてアメリカやカナダで恐れられていることをご存知だろうか。
パイナップル・エクスプレスは、太平洋から北米西岸にやってくる亜熱帯ジェット気流で、とても暖かくて湿っているのが特徴。ハワイ方面からやってくる気流なので「パイナップル・エクスプレス」と呼ばれている。
最近の研究では、マッデン-ジュリアン振動とよばれる地球規模の気象現象がパイナップル・エクスプレスを起こしていると見られている。マッデン-ジュリアン振動は赤道上で東西に広がった大規模な大気の循環の変動であり、対流活動の活発な領域が東進しながら30~60日かけて地球を1周するというものである。長さ数千キロにも及ぶ対流雲域が押し寄せてくるのだ。
このパイナップル・エクスプレスが先週末から今週前半にかけて、バンクーバーをはじめとするカナダのブリティッシュ・コロンビア州に襲来しており、この地域で暴風や大雨による洪水などの被害が出ているようだ。
カナダの報道機関によれば、バンクーバーの東、メイプルリッジで約170戸が洪水のため浸水したほか、各地で洪水や河川の増水、融雪・なだれによる道路などの通行止めが発生した。
パイナップル・エクスプレスによる気象災害はたびたび発生しており、昨年も8月にアラスカ中南部に、11月にはオレゴン州・ワシントン州などに大きな被害をもたらしている。
パイナップル・エクスプレスは地球規模の現象だけに、襲来前には早くから注意が促される。北米西岸にお住まいの方や旅行者は、パイナップル・エクスプレス情報に注意が必要だ。
(ジャイヴ川畑)
ちなみに筆者はパイナプル・エクスプレスよりも、オレンジ・エクスプレスやナニワ・エキスプレスのほうが好きだ。





