胴体着陸 天候も味方に
13日午前8時50分ごろ、大阪伊丹空港を出発した全日空1603便(乗客56人、乗員4人、ボンバルディアDHC8-Q400型機)が高知空港に到着する際、前輪が出なくなった。同機は上空で前輪を出そうと試みたが失敗、不要な燃料を消費した後、10時54分に前輪が出ないまま高知空港14番滑走路に胴体着陸した。
乗員乗客にけが人はなかったとのこと。
今回の事故ではパイロットの技量・確実な操作もさることながら、天候に恵まれていたことも重大事故へと至らずに済んだのだろう。
当時の高知空港の気象実況によれば、約1.6メートルの風(ほぼ無風状態)であり、くもり空であったものの視界良好であった。夕方には7メートル程度の風が吹いていたためやや難しい着陸を強いられることになったであろう。
航空機は上空では垂直尾翼の方向舵で機体の左右方向の運動を制御するが、着陸し速度が落ちていくと前脚で制御する。その前脚が使えないので、風が強いと滑走路からの逸脱はもちろんのこと、滑走中にスピンしたり、最悪の場合横転する危険があったはずだ。とくに同機は高翼機なのでその危険性は高かったのでは。(主脚である程度は踏ん張ることができるが)
同機の直近の運行状況は、12日は運行が無かったが11日は伊丹/高知間を1往復していたとのこと。不具合の発生がもう1フライト前であれば天候が大きく影響していたかもしれない。
同空港では10日夜から11日に掛けて気圧の谷が通過したため、11日朝から夕方まで10メートル前後の風(17メートルの風が吹くこともあった)が吹いていた。このような中の胴体着陸はかなり困難であったろう。
出発空港である大阪伊丹空港や関西空港に引き返したとしても、やはり昼ごろまで10メートル前後の風が吹いていたため困難であっただろう。
DHC8-Q400型機は国産機YS-11の後継機として2002年から導入がはじまったが、2005年ごろから様々な不具合が発生し新聞などでも度々報道されていた。(これまでの不具合と今回の事故に関係があるかどうかは、まだわからないが。)
当局・メーカー・航空会社においては、この事故の原因追求・再発防止に向けて全力で取り組んで欲しい。
(ジャイヴ川畑)
当時の高知空港の気象実況(METAR)
RJOK 130200Z VRB03KT 9999 FEW030 SCT120 BKN130 11/M01 Q1017
RJOK 130100Z VRB02KT 9999 FEW030 BKN120 BKN/// 10/M03 Q1017
(130200Zは13日午前11時、0100Zは午前10時)
※METARの見方は以下を参考してほしい。
中部航空地方気象台-観測業務-METAR解説-
http://www.tokyo-jma.go.jp/home/chubu/metar_1.htm





