ドップラーライダーとCAT-3
先ごろ航空機の安全な着陸のための支援設備に関するニュースが2件あったので紹介したい。
24日付け朝日新聞によれば、羽田空港に地表付近の乱気流などの風の動きを観測するドップラーライダーを設置し、来月より運用を始めるとのことだ。
クリティカル・イレブン・ミニッツ「魔の11分」という言葉がある。航空機事故の多くは、離陸の3分と着陸の8分に集中するという意味だ。特に着陸時は速度を落とさなければならず、わずかな大気の乱れが操縦に影響し、時には大事故に至ることもある。
これまで新千歳・成田・羽田・中部・大阪・関西・福岡・那覇の8つの空港にドップラーレーダーを設置し、航空機の離着陸に危険を及ぼす大気下層の風の急激な変化(低層ウィンドシヤー)を観測してきた。
空港のドップラーレーダーは指向性が強く、とくに着陸コースを狙って観測しており、前線通過や発達した積乱雲にともなう風の乱れを捕らえている。しかしレーダーは大気中の降水粒子の反射を利用しているため、天気が良ければ風に乱れがあっても検知できない。
このドップラーレーダーの弱点を補うのがドップラーライダーで、降水粒子が無くても風の乱れが観測できるのだ。朝日新聞によれば、空港内の格納庫などを越える風の乱れ(ハンガーウェーブ)の解析や対策につながる可能性が期待されているとのこと。
もう1件のニュースは、青森空港にCAT-IIIが設置され、11月から12月にかけて各種検査を行い、来年春から運用開始になるそうだ。
青森空港は春から夏にかけ濃霧の発生が多く、飛行機の欠航が多いことで知られていた。CAT-IIIを導入することにより濃霧による欠航が大幅に減少するそうだ。
CAT(カテゴリー)は計器着陸装置のランクのこと。国内の多くの空港はCAT-Iで滑走路付近の視距離が550メート以上なければ離着陸できない。CAT-IIIになれば視距離が200メート以上あれば離着陸が可能になる。
現在、日本の空港でCAT-IIIを導入しているのは成田、羽田、関空、釧路、熊本だけ。釧路、熊本も濃霧による欠航が多い空港で、それに青森が続くこととなった。
航空機は他の交通機関にくらべ早く目的地に着くことができるが、天候に左右されやすく安定度はいまひとつ。安全はもちろん安定運行のためにも、これらのような設備の拡充に今後も期待したい。
(ジャイヴ川畑)





