悪天候は予見できたか?
10月6日から9日にかけて急激な発達により猛威をふるった低気圧により、全国各地で海難事故や山での遭難が相次いだ。
この低気圧は5日午後0時に四国の南、秋雨前線上に発生した。発生時の気圧は996hPaだったが、6日午後9時には関東沖で980hPa、7日午後9時には三陸沖で964hPaと驚異的に発達した。
この低気圧の驚異的な発達や悪天候は予見できなかったのだろうか?
気象庁のホームページでは、現在4種類の天気図が公開されている。
実況天気図 http://www.jma.go.jp/jp/g3/index.html
24時間予想図:FSAS24 http://www.jma.go.jp/jp/g3/wc24h.html
48時間予想図:FSAS48 http://www.jma.go.jp/jp/g3/wc48h.html
実況天気図(アジア):ASAS http://www.jma.go.jp/jp/g3/wcAsia.html
5日9時の48時間予想図(上図左)、つまり7日朝には秋雨前線上の発達した低気圧が東日本に到達すると予想されていた。4日午後9時の48時間予想では秋雨前線上の低気圧は影も形もなかった。
つまり5日に日付が変わってから、気象庁の予想が悪天候の予想へと大きく変わったわけである。
筆者はこの予想を見て、ニュース記事「中秋の名月」の天気予想を「荒れ模様」に修正したほどだ。
5日9時以降の予想図を入手していれば、悪天候への対策が早めに行えたかもしれない。
また6日午前3時の実況天気図(アジア)には以下が記載されていた。(上図右)
DEVELOPING LOW(発達中の低気圧)
992hPa(現在気圧)
32N 136E(現在位置)
ENE 10 KT(進行方向/速度)
EXPECTED WINDS 30 TO 50 KT(30ノットから50ノットの風が予想される)
WITHIN 900 NM OF LOW NE-SEMICIRCLE(半径900海里の北東側半円内)
AND 600 NM ELSEWHERE(および半径600海里の南西側半円内)
FOR NEXT 24 HOURS(24時間後までに)
つまり24時間以内に北東側1600キロ・南西側1100キロ以内で15-25メートルの風が予想されていたわけだ。
台風の場合、風速15メートル以上の領域:強風域が500キロ以上なら大型、800キロ以上なら超大型に分類される。
台風と温帯低気圧では構造が違うためいちがいに比較することはできないが、風の影響範囲においては今回の低気圧は超大型台風に相当するものであった。
超大型台風相当と知っていれば、やはり厳重な対策・慎重な行動が行えていたかもしれない。
台風情報では強風域・暴風域についても伝えられているが、重大な強風被害が予想される温帯低気圧の場合も強風域に相当するような伝え方があってもよいかもしれないと思うのだが…。
山や海など遭難事故が起こりやすい所へ行く際は、せめて気象庁が公開している24・48時間予想天気図には目を通してほしい。(民間気象会社のサイトでは高層予想天気図なども公開しているところもある)
また出先でもこれらの情報が入手できるのならば、ぜひ早目の対策をとってほしいものだ。
(ジャイヴ川畑)





