雪と氷、飲み水にするなら?
[2010-03-18 23:44:12]

近年、登山を趣味とする若い人が増えているという。冬山にまで入るという人は少数だと思うが、冬のキャンプで問題となるのが飲み水である。
冬山では雪や氷を鍋に入れ、コンロで溶かして飲み水を「作る」のが普通。ところで、雪と氷があった場合、どちらを溶かした方が早いだろうか。実際にやってみると分かるが、同じ量の水を作ろうとした場合、圧倒的に氷を溶かした方が早い。
理由はふたつある。ひとつは雪の断熱性。雪は溶けると体積が10分の1くらいになってしまうので、鍋に満杯に、フタがしまらないくらいにいっぱいに雪を入れてコンロで熱することになる。しかし、鍋にぎゅうぎゅうと詰め込んだつもりでも、間にはまだまだたくさんの空気が詰まっている。コンロの熱が雪にうまく伝わらず、外に熱が逃げてしまうのだ。
そしてもうひとつは、鍋の外側で広範囲に結露が発生することである。この結露を乾かすために熱が使われてしまうのだ。結露するしくみはこう。雪が鍋の内面全体に直接接しているため、鍋の外面も低温になる。ガスが燃える時に発生した水蒸気が鍋に沿って上昇、鍋の外面で冷やされて結露するのだ。
氷を溶かす場合はこういったことがない。したがって、とても効率的なのだが、残念ながら冬山できれいな氷塊が手に入るケースは少ない。
(小埜佳典)






