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津波-過去の教訓が仇に?


[2010-03-09 23:48:35]

9日付け朝日新聞の報道によると,先月28日に発生したチリ地震の際,避難指示・避難勧告が出されていた地域の住民のうち,実際に避難したのは3.8%にとどまったという。ほとんどの住民が避難しなかったことになる。
 
新聞記事の中で目を引いたのは,静岡大学牛山准教授のコメント。今回の地震で,岩手県沿岸部には避難を強く促す避難指示が出された。しかし,同地域の住民は,明治の三陸沖地震の際に津波が標高30メートルまで駆け上がったことをよく知っており,その高さと予測される津波の高さとを比べ「大したことない」と考えたという内容だ。津波前の調査で,住民の過半数が,5メートル以上の予測が出ないと避難しないと回答していたという。
 
岩手県沿岸部は,リアス式海岸が続く複雑な海岸地形から構成されている。30メートルの津波は,複雑な海底地形も手伝って波が増幅された結果であろう。予測の数倍の波が発生する可能性を正しく認知せずに,「大したことはない」と判断することは極めて危険だ。
 
過去の教訓が仇になりかねないという事例。津波の被害を防ぐには、こういった可能性も考えていかねばならない。
(小埜佳典)

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