種子島の皆既日食
[2009-07-25 00:32:22]

46年ぶりに日本の陸上で観測される皆既日食。筆者はこれを種子島で迎えることにした。数日前の予報によると、梅雨前線の影響で北へ行くほど条件は悪そう。皆既日食帯南限の奄美大島では見られても、同北限の種子島・屋久島での観測は難しそうだ。しかし、奄美大島行きの切符など手には入らない。梅雨時の予報ははずれがち。それを期待して出掛けたのである。
しかし、予報は当たってしまった。前夜までは星が出ていたが、日食当日は朝から雨模様。厚い高層雲ごしに、ぼんやりとした太陽が姿を見せたのは、欠けてゆく途中の15分ほどだけ。コロナもダイアモンドリングも、目にすることはできなかった。
しかし、周囲の明るさは劇的に変化した。曇り空で元々薄暗い日であったが、皆既日食の15分ほど前から、明るさの変化が感じられるようになった。その後暗さは急激に増し、皆既日食時には日没後30分~1時間頃の暗さに。車はライトなしでは走れない。そして皆既日食が終わり2分も経過すると、明るさはほとんど元に戻ったように感じた。
昔、晴天の日に皆既日食を目にした太古の人間達は、さぞかし驚いたことだろう。しかし、それは太陽に何かが起こったのだと分かる。一方、悪天の日にこの劇的な明るさの変化を体験した太古の人間たちには、それすら分からなかったはず。彼らは何を思っただろうか。
(小埜佳典)






