下水になった小川
[2008-08-07 21:24:13]
気象の教科書を開くと、短時間強雨の際に注意すべき災害のひとつとして、必ず「中小河川の氾らん」が挙げられている。しかし、今や都心で「小川」を見かけることなどほとんどない。以前「春の小川・梅と桜の競演」でレポートしたが、多くの「小川」が、下水道の一部となってしまったようだ。
その意味からすれば、5日に東京都区部で起きた下水道工事中の事故は、教科書通りの災害だったのかもしれない。小川であれば岸の草木にしがみつくことが出来たのかもしれないが、逃げ場のないマンホールの奥では為す術がなかった。
降水がごく短時間に下水道に流れ込む現代の都市構造を変えるのは容易ではない。上流の豪雨情報を素早く現場に伝えるしくみが肝要だが、新聞報道を見るに、水道局でも全ての下水道を完全に把握しているわけではなさそうだ。しかれば、今ここで豪雨が降ったとして、いったいどこの下水管が危険に晒されるのか明らかにはできないということか。
地下を複雑に巡る下水管。見るだけで流路が明らかな小川と比べ、はるかにやっかいなものなのかもしれない。6日夜も神田川の橋の上では、捜索のためだろうか、消防車が長時間に渡り停まっていた。
(小埜佳典)






