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2008年06月23日

春?晩夏?不思議な山の風景

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19日に梅雨入りが発表された北陸地方。梅雨入り・梅雨明けの発表では新潟県は北陸地方に含まれるのだが、新潟県南東部に位置する越後駒ヶ岳(2003m)は21日の日中、梅雨の晴れ間に恵まれた。
 
照りつける太陽は真夏のそれと同じ。寒気の影響か空には積乱雲の発達が見られ、盛夏の風景を思わせる。一方、あたりにはウグイスの声が鳴り響き、真白なこぶしの花も咲いている。そしてあろうことか、セミの声まで聞こえてくるではないか。2種類聞こえるうちの一方はヒグラシの声に似ていて、否応なしに晩夏の夕暮れを思わせる。
 
いったい今は何月なのか。すっかり季節感が狂ってしまったが、これは紛れもない事実。標高1200~1400m付近での出来事である。
 
(小埜佳典)

IPCC発足から20年

6月20日、東京大手町の日経ホールに、気象記念日講演会を聞きに行った。『今までの気象とこれからの気象-地球温暖化を考えよう-』と題した気象庁主催の本会は、高校生以上を対象に事前申し込み制で開かれたもの。目測だが約200名の参加があった。
 
講演の中でIPCCの組織についての話があった。IPCCとは『気候変動に対する政府間パネル』のことであり、昨年「地球温暖化の原因は、人間が発生させた温室効果ガスの可能性がかなり高い」という第4次評価報告書を発表し、今後の対策がいかに重要であるかを示した。
 
IPCCに参加した講師によると、報告書は一文一文吟味しながら作られたものだという。各国代表の意見をじっくり聞いて作られるため、1日にたった40行しか完成しなかったという。なぜ、そんなに時間がかかるのか。
 
IPCCは単なる議論の場ではなく、政府間パネルだからだという。出席者は政府の代表者であり、合意したからには国の面子をかけて守らなければならない。福田首相が先頃、2050年に日本起源の温暖化ガスを60-80%削減すると発表したが、背景にはこのIPCC合意があるものと思われる。
 
消費者庁設立の件ではないが、いかに素晴らしい提案でも、それを推し進めるしくみが悪ければ事物はなかなか進まない。そういった意味で、IPCCというのはよく出来た組織に違いない。環境問題が今ほど声高に叫ばれていなかった1988年、既に発足していたということに、若干の驚きを覚えた。
 
(小埜佳典)

2008年06月14日

今年も10の測候所が廃止

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(写真:屋久島から見る日の出)
 
気象庁は6日、小名浜(福島県いわき市)、屋久島(鹿児島県)、富士山など10の測候所を10月1日に廃止し、特別地域気象観測所に移行すると発表した。
 
富士山測候所はすでに無人化されているが、他の9つの測候所についても無人化され、以降の観測は機器による自動観測となる。はれ、くもり、雨などの「天気」や、桜の開花情報などの「生物季節」といった、人間の眼や耳に頼った観測は今後なくなる。
 
無人化は公務員削減に伴うもので、22年度までに原則として全ての測候所が無人化されるという。実は先日、別の取材で屋久島測候所の職員さんにお話を伺った。親切に話してくれたあの職員さんもいなくなってしまうのである。単なる他人事とも思えない。
 
これまで既に、68の測候所が無人化されている。2年前に無人化された長野県の飯田測候所では、地元自治体が独自に「気象アドバイザー」を採用した。しかし、他の地域からはそのような情報は聞こえてこない。様々な事情はあろうが、ニーズそのものもないのだろうか。
 
(小埜佳典)

2008年06月05日

消え行くブナとハイマツ

国立環境研究所などは5月29日、「温暖化影響総合プロジェクト」05~07年度3ヵ年分の研究結果を発表した。
 
同プロジェクトは、2100年までの気候変動の影響について、森林・健康などの分野ごとに日本を中心に置いて報告書をまとめた。同研究所のウェブサイトにて公開されている。
 
報告書は専門用語が多く難解だが、総じて読み取れるのは、地球温暖化の影響は日本においても小さくないということ。森林への影響についての記述によれば、世界自然遺産に指定されている青森・秋田県境の白神山地のブナ林は、2031年~2050年には現在の半分以下に、2081年~2100年には消滅する可能性があるという。同様に、高山植物の一種であるハイマツは、2081年~2100年には東北地方から姿を消し、中部山岳地帯と北海道のみに分布する可能性が高いという。
 
報告書には示されていないが、ブナやハイマツに代わって増えて行く植物もあるだろう。孫達の時代には、日本の植生は大きく変わっている可能性がある。その意味について、じっくりと考えてみたい。
 
(小埜佳典)
 
国立環境研究所