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2007年11月27日

十勝連峰の雪崩事故から

4th_表層雪崩.jpg
(表層雪崩の跡。別の山で撮影したもの)
 
北海道十勝連峰で23日に雪山訓練中の11名を襲った雪崩は、4名の方々の命を奪った。一部に「訓練を受けなければならない初心者だったのか」との批判があるが、これは全く当たっていない。半年間遠のいていた雪山に慣れるため、ベテランであっても冬山シーズンの初めに訓練を行うことは、むしろ好ましいことである。
 
「入山すべきでなかった」との批判もある。大雪直後においては一般的に正しい批判であろう。しかし、危険かどうかはルートや登山者の実力に依存するものである。危険を察知して引き返すことができるのであれば、入山そのものは間違いではなかろう。
 
「雪崩注意報が解除されたからと言って油断すべきでなかった」との批判もあるが、これは全くそのとおりである。日常の生活圏と山中とでは積雪状態が異なる上に、一般人と登山者とでは受容しうるリスクも異なる。登山者は自分でリスク判断を行うべきであり、他の山岳事故報道においてしばしば見られる、雪崩注意報発令中の入山を非難する内容の方が、むしろ的はずれと言えよう。
 
「気温が低ければ雪崩は起こりにくい」そう考えている方が多かろう。しかし、これは大いなる誤解である。これから2月にかけての雪崩は、一般的にその時の気温とは無関係に発生する。スキー場に出掛ける際、頭の隅に置いておきたい。
 
(小埜佳典)

2007年11月16日

雪前線 津軽海峡へ

3rd_大間崎灯台.jpg
 
14日夜通過した寒冷前線の後を追う寒気に覆われ、15日の青森県内は日中から冷え込んでいた。午後2時前、下北半島の平地の温度計は3℃を表示。これは雪になるか、雨になるかの境界の温度。ぐずついた空模様の下、遠くに目をやると、雲からもやもやとした影が垂れ下がる様子が見えた。雲から落ちているのはきっと雪。地上に着く前に融けて雨に変わっているのだろう。
 
写真はまぐろで有名な青森県下北郡大間町、本州最北端の大間崎から望む灯台。ここにも冷たい風が吹いていた。むつ市の恐山が閉山となったこの季節、訪れる観光客の数はぐっと減るという。
 
大間町には、函館から津軽海峡を渡ってTVの電波が届く。15日、北海道の各地は雪となった。週末には平地の雪前線も津軽海峡を渡って、本州に上陸するだろう。暖かかった関東以西も、やっと寒くなる見込み。
 
(小埜佳典)

2007年11月11日

木枯しに抱かれて

暖かくて何となく締まりのない今年の秋だが、8日に立冬を向かえ、暦の上では確実に冬に向かっている。毎年この季節になると浮かんでくる歌に、『木枯しに抱かれて』と『小さい秋見つけた』の2曲がある。
 
後者についてはまた別に記すが、調べてみると『木枯しに抱かれて』が発表されたのは1986年のこと。既に21年もたつことに驚いたが、木枯らしの寒々しさがとてもよく表現された曲で、硬めの弦の音が奏でるイントロの中に4回だけ現れる半音を聴いただけで、ピリピリとした感じが伝わってくる。
 
今年もいよいよ、木枯らし1号が吹きそうである。気象庁の発表は東京地方と近畿地方だけだが、月曜日は冬型となり、強い寒気がこれらの地方の上空を覆う。天気が回復する東京地方では地上の気温がかなり上がる予報で、上空との温度差が非常に大きくなり、強雨もありうる。予報は晴でも、傘を持って出掛けようと思う。
 
(小埜佳典)

2007年11月06日

くすむ紅葉

1st_くすむ紅葉.jpg
 
11月を向かえ、日本列島は紅葉本番の季節を迎える。気になる今年の色づきであるが、これまで見た限りでは、残念ながら例年に比べくすんでいるようだ。
 
美しい紅葉の条件を十分に定量的に示した定説は、現在のところ存在しない。しかし、定性的には次の条件を満たすとき、草木は美しく色づくと言われている。
 
1. 夏の日照、降水が十分であること。
2. 秋の日照が十分であること。
3. 秋の日寒暖差が大きく、夜間十分に冷え込むこと。
 
1の条件は、草木が元気いっぱいに育つための条件。紅葉のメカニズムに直接作用するのは2と3の条件であろう。9~10月の日本列島、日照はほぼ平年並であったが、夏の高温傾向が続いて冷え込みは弱く、3の条件が満たされていない。
 
10月の高温傾向は特に西日本で顕著だった。11月もさほど寒くならない見込み。紅葉前線はこれから西へ向かうが、残念ながら期待薄のようである。
 
(小埜佳典)