日本の到達不能極・黒部源流の今
[2007-05-07 14:36:27]
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「到達不能極」という言葉がある。読んで字のごとく、到達するのが不可能とも思えるほど難しい地点のこと。北極地方や南極地方で海岸線から最も遠く離れた位置を指し、北極点や南極点に観光ツアーで行けるようになった今、冒険家たちはむしろこちらに注目している。南極の到達不能極に人類が徒歩で到達したのは、つい4ヶ月前、2007年1月のことである。
では、日本の到達不能極はどこか。「徒歩で到達するのに最も時間を要し、かつ行く価値のある所」と定義するなら、富山湾に流れ入る黒部川の源流部がそのひとつの候補地となろう。数多くの観光客が訪れる黒部ダムのさらに十数キロ上流、富山・岐阜・長野の3県の県境に位置しており、ふもとから徒歩1日半をかけてやっと到達することができる。
ゴールデンウィーク、標高2,500m前後の高原はまだ雪に埋もれていた。樹木のない一面の雪原は、ヨーロッパやアラスカのスキー場を彷彿とさせる。寒々しい感じがするが、実のところは雪の照り返しで日射も紫外線も夏以上で、風がなければ歩いていて暑いくらいである。
まばらながらも数多くのスキーヤーを迎えた連休の黒部源流部。今後しばらくは再び静寂の季節となり、次に賑わいを見せるのは7月の海の日前後となる。
(小埜佳典)





