東京都心・松の雪吊りのわけ
[2006-12-21 21:39:30]

東京都心、オフィス街のオアシス日比谷公園の一角、心字池に今年も松の雪吊り(松吊り)風景が見られるようになった。松の枝を冬の積雪から守るための松吊り、雪国金沢の兼六園や会津若松の鶴ヶ城が有名だが、東京都心でも見ることができるのだ。と、ここでひとつの疑問がわく。50cm以上の積雪が珍しくない金沢、会津若松で松吊りが必要なのは分かるが、数cmの積雪が年数回という東京都心で、果たして松吊りが必要なのだろうか。日比谷公園管理事務所に尋ねてみることにした。
「暮れから正月にかけての寒い季節、冬の風物詩としてやっています。飾りと言ってもいいでしょう。東京都のあちこちの庭園で実施しています」
12~2月頃限定の松吊り、中央の支柱からきれいな円錐形にわら縄を張って作られる。一種の幾何学的造形物と言ってもよく、見る者に松に積もる雪を想像させる。季節を感じさせるという意味では、流行のクリスマスイルミネーションと同じ。違うのは風流であることと、電気代がかからないことか。がともかく、雪国と東京では松吊りの意味がまるで違うということが分かり、一件落着した。
公園内には紅葉の木々がまだたくさん残っていて、場所を選ぶと写真のように、松吊りと紅葉とを一緒に眺めることができる(左下はワラボッチという、防寒用のわら囲い)。秋の風景、冬の風景の共演であり、ここに積雪があると更によいのであるが、残念ながら、暫くは東京に雪の降る日はなさそうである。
(小埜佳典)





