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2006年07月23日

地震時、一番安全なのは洞窟?

あぶくま洞.jpg
福島県阿武隈地方にある洞窟「あぶくま洞」を訪れた。平日の夕方、営業時間終了間際の洞窟はひっそりと、そしてひんやりとしていた。洞窟内の気温は15℃、外は30℃である。
 
7色にライトアップされた内部にはうねうねとした鍾乳石がひしめく。至る所に水流があって、時には狭い通路を這うように歩かねばならない。やがてひときわ広い空間に出た。9階建てのビルが納まる高さだという。説明してくれたおじさんはこう続けた。
 
「ここは地震は大丈夫だよ。この空間は8,000万年前からあるんだ。そこの石筍は3,000万年前の、こっちのは4,000万年……」
 
阿武隈地方は強固な地盤を持つ。首都移転の候補地となった理由のひとつは、地震に強い地域だから。とは言え、洞窟内で地震に遭えば、インディージョーンズではないが上部から槍のように尖った鍾乳石がバタバタと落下、串刺しになりそうな気がするのだ。
 
何千万年もの地震に耐えてきた事実はとても重い。我々が生きている間に、もっと強い地震が起こる可能性はとても小さい。そう考え直すと、一番安全なのは本当にここなのではないか、と少し思えてきた。
 
(小埜佳典)

長野・風評被害を最小限に

長野県のほぼ中央、諏訪湖に接する岡谷市で、土石流による大きな被害が出ている。筆者の実家は諏訪湖の近く。幸い無事だったようだが、近所で床上浸水などの被害が出ているという。大雨は続く可能性があり、予断を許さない。
 
ところで、こういった大災害の報道は、その地域全体に大きな被害が及んでいる印象を与えることがある。が、よく調べてみると大きな被害はごく一部ということが少なくない。長野県はこれから夏の観光シーズンを迎える。レジャーを計画している方もいると思うが、いたずらに心配して中止を決めて欲しくないのである。大雨の物理的な被害に、風評による経済的な打撃という、追い討ちをかけることになってしまうからだ。
 
現地の詳しい情報を得ることは、難しいことではない。宿に聞いてみるだけでもよい。元長野県民からの切なる願いである。
 
(小埜佳典)

2006年07月18日

「いま、会いにゆきます」の結末

映画「いま、会いにゆきます」をDVDで見た。早世した母親が、絵本に残した約束のとおり雨の季節に戻ってくるお話。梅雨の間の6週間を親子3人で楽しく過ごすが、別れの時は徐々に近づいて……最後の謎解き20分ほどはなくてもいいかな、という感じもしたが、せつなさ一杯の中にほのぼのとした喜びを感じられる、素晴らしい映画だった。
 
映画の中、別れは突然やってくる。本人役で登場している森田正光氏の一言、「関東甲信地方は本日梅雨明けしました」で。ところで、過去50年間を眺めてみると、梅雨明けが特定されなかったことが一度だけある。1993年、冷夏だったこの年、はっきりとした梅雨明けがなかったのである。
 
森田キャスターの一言が「関東甲信地方は梅雨明けが特定できません」であったとしたら、母親は去らなくていい。別れの時は来ない。そんなハッピーエンドでもよかったのではないかな……と、当面梅雨明けのなさそうな今日の週間予報を見て、ふと思った。
  
(小埜佳典)

2006年07月09日

今年も「でんき予報」始まる

東京電力は、今年も7月11日から9月20日までの平日、同社ホームページで「天気予報」ならぬ「でんき予報」を実施すると発表した。
 
この予報、2003年に始まったもの。同年夏、原子力発電所がほぼ全台停止し供給電力が不足、停電の危機がささやかれた。「でんき予報」ではその日の予想最大電力などを発表し、節電への協力を呼びかけるもので、クーラー需要などが高まる夏のシーズン限定で実施されている。
 
2003年は冷夏だったこともあり、停電の事態に至ることはなかったが、関東地方で気温が1℃上昇すると、およそ150万kWの電力が必要となる。これは大型の火力発電機1.5台分に相当する量で、1時間あたり約600tものCO2排出につながる。気象庁の3ヶ月予報では関東甲信地方のこの夏の気温は「平年並」。停電の危険が3年前ほどは高くはない中「でんき予報」が続けられる背景には、「温暖化防止」のキーワードが隠れているようだ。
 
(小埜佳典)