異常気象と感じられた2010年夏
気象庁は1日、8月までの天候のまとめを発表した。夏の平均気温は、北日本から西日本にかけてかなり高く、北日本と東日本は1946年以降で最も高かったという。この猛暑の原因としては、寒気が入りにくかったこと、非常に暑い空気(太平洋高気圧)に覆われる日が続いたことが挙げられる
東京では8月末までに、猛暑日(最高気温35℃以上)10日、真夏日(最高気温30℃以上)56日、熱帯夜(最低気温25℃以上)48日となっており、熱帯夜については1994年を超えて、観測史上1位となっている。都内を歩くと、地面がひび割れていたり、樹木の葉が黄色くなっている光景が目に付く。
「今年の夏が異常気象だ」と感じる原因として、春が非常に寒かったことも挙げられよう。東京では、4月17日に観測史上最も遅い雪を観測し、23区内でも数センチ積もったところもあった。その後も寒い日が続き、「永遠に春が来ないのではないか」と不安を覚えるほどの気候……。これが一転して急激に暑い日が増え、記録的な猛暑となったために、より強烈なインパクトを与えたことは間違いない。
ところで、今年と同様『異常な夏』として有名なのが1993年だ。春から夏の気候を振り返ると、今年と正反対の傾向だったことがわかる。春に暑い日が多く、5月13日にして、埼玉県秩父:37.2℃、東京都八王子:37.1℃という猛暑日(当時はこの言葉はなかったが)を観測している。このまま季節が進むとどんな猛暑になるか、と恐ろしく感じられたが、7月になっても8月になっても梅雨が明けなかったのだ。8月も涼しい風が吹き、ドンヨリした雲に覆われて雨の降る日が続き、稲は大凶作……タイ米が広く出回ることとなった。
今年の夏が極めて特異だったことは確かであるが、1993年の例のように、過去にも異常な夏は存在する。記憶は時間とともに薄くなるので、最近の夏が特に異常であるかのような印象を受けてしまうのだろう。自然が生み出すものには、みんな個性がある。今年の秋はどうなるか、そして、冬ははたして……。
(金子大輔)






