スズメバチの引越しシーズン!?
2010年夏は強い日差しが降り注ぎ、猛暑となっている。原則として「晴耕雨読」型の行動をする昆虫たちにとっては、恵まれた夏ということもできよう。昆虫とふれあいは、夏休みの子どもたちにとって貴重な体験となり、かけがえのない思い出となることが多い。
だが、少し注意を要する昆虫もいる。そのひとつがスズメバチの仲間、特にキイロスズメバチだ。キイロスズメバチは『引越し』の習性を持ち、夏に新たな巣を作ることがある。春先に作られる巣は、女王バチの単独作業であるため、作業はきわめて遅い。だが、夏には多数の働きバチが育っているため、凄まじいスピードで巣は作られていく。1日でメロンほどの大きさになることもあるそうで、しばしば「巣がいきなり現れたようだ」と語られる。玄関に、両手で抱えるほどの巣があるシーンが報道され、「なぜ、あんなになるまで気がつかなかったのだろう?」と言われるが、夏には一瞬であのような巨大な巣が築かれてしまうのだ。
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↑すさまじいスピードで作られる、夏のキイロスズメバチの巣
だが、夏のスズメバチでは攻撃性が高くない。秋になり、たくさんの新女王を育てる時期になると、攻撃性が増してくる。生き物が、異常な攻撃性を示すときは「子どもを守るため」と相場が決まっているのである。
以前の記事でもお話したが、スズメバチ対策をまとめておく。巣に近づくと、まず「カチカチ」と音を立てたり、取り囲むようにブンブン飛んだりして威嚇してくる。この段階で絶対にしてはいけないのが以下の行動だ。
(1)大声・大きな音を立てる
(2)手などで払う
(3)急な動作、派手なリアクション
なるべく早い段階で、刺激しないようゆっくりと巣から離れるのがよいとされている。また、香水をつけていたり匂いの強いものを持っていたりすると、威嚇なしで襲われる可能性があるので注意が必要だ。
※巣から離れ、単独行動をしているハチは攻撃性が低い。好奇心の強い個体が、人の周りを飛び回ったりするが、こちらがじっとしていれば、じきに飛び去っていく。
毎年、スズメバチに刺されて亡くなる方が後を立たないため、極めて危険な生き物だと思われている。だが、相手の性質をよく知れば、かなりの確率で事故は防げる。人間関係で極めて細やかな心配りができると評判の日本人……他の生き物との付き合いにも、十二分の神経を使いたいものである。
(金子大輔)






