都心、セミが勢ぞろい!
東京も、梅雨明けしてから厳しい暑さが続き、日に日にセミの声がにぎやかになってきた。ファーブル昆虫記で、セミは「なんともお人よしな生き物」と表現されている。食事中、他の昆虫が近づいてくれば場所を譲ってしまう、あるいは、メスをめぐってオス同士が争うどころか、助け合うような行動が観察されることがあるとか。「厳しい世界を、平和的に生き抜く」ことのヒントは、セミの生態にあるのかもしれない。
さて、都心付近で毎年必ず見られる普通種のセミは5、6種類。2010年も、それらすべてのセミの声が聞こえるようになった。
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最も多くみられ、翅が茶色いのがアブラゼミである。「ギー、ジリジリジリ……」という声が、油を炒めるように聞こえるために、この名前がつけられたそうだ。
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それから、少し小型で、翅に茶色と透明のチェックのような柄を持つのがニイニイゼミだ。6月後半ぐらいの早い時期から鳴き始めるので、『春蝉』と呼ぶ地域も。(Terpnosia vacua(ハルゼミ)とは別種なので注意)
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そして、おなじみの「ミーンミンミンミンミー」と大声で鳴くミンミンゼミ。
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「オーシ、ツクツク……」と鳴くツクツクボウシは、秋の気配が漂うころに出るとされていた。だがここ2、3年、都内では7月下旬から声を聞いている。
そして、最近になって西日本から分布を広げてきたクマゼミがいる。クマゼミは昔から西日本においては非常に多いセミだが、10年ほど前までは、東京ではほとんど見られなかった。
都心のセミを、5、6種類と幅を持たせた理由として、ヒグラシの存在がある。ヒグラシは、井の頭公園など自然豊かな森林には生息しているようだが、都心部の街路樹で見ることはまずない。また、23区東部にはほとんどいないことからも、普通種としてカウントすることにやや抵抗を感じたのである。
わかっているだけで数千種いるとされるガや甲虫と比べると、セミはいかに種類が少ないかがわかる。しかも慣れれば鳴き声を聞いただけで種類を特定することができる。どのセミが何時頃鳴いていたか、どんな行動をしていたか。そんなことを調べてみると、おもしろい夏休み自由研究になるのではないだろうか。
(金子大輔)






