気象から考える河童忌
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7月24日は、文豪・芥川龍之介の命日である。晩年の代表作「河童」から取って、一般には『河童忌』と称される。自ら命を絶った原因としてさまざまな説があるが、「ぼんやりした不安」を原因に挙げたものが最も有名であろう。「蜘蛛の糸」「羅生門」「蜜柑」……たしかに作品を読むたび、『ぼんやり』という表現の出現がやや高い印象を受ける。特に晩年の作品では、「ぼんやりした不安」という心境が明確に現れているとされる。
また、河童忌と気象学的な背景を結びつけて考える説も多い。「前日(7月23日)のうだるような猛暑から一転、24日には10℃以上も気温が下がり、ドンヨリとした天気になった」ことが、自殺に結びついたのではないかというのだ。急激な気温・気圧の変化は、神経や精神に大きな影響を与えることは、想像に難くない。
「雨が降ると古傷が痛む」というのは多くの人が経験することだろう。また、寒冷前線が近づくと喘息の発作が起きやすい、うつ病が悪化する方が多いと話す人もいる。寒冷前線は、急激な気温低下・天候悪化などをもたらし、体にとって大きなストレスになるのだ。
では、昭和2年(1927年)7月24日、実際にはどんな気象状況であったのだろうか? 気象庁天気相談所に確認してみた。23日の東京では、最高気温が35.6℃の猛暑日であったが、7月24日は最低気温20.7℃、最高気温が26.8℃という涼しさになっていたことがわかった。そして、暗い雲に覆われて雨が降りしきり、14.2ミリの降水を観測していた。
芥川龍之介のような作家が、若くしてこの世を去ったことは非常に残念である。子ども向けとされる「杜子春」「蜘蛛の糸」などは、実際に子どもが読むと、夢でうなされそうな迫力だ。夏休み、蝉時雨をBGMに文豪の作品を読んでみるのはいかがだろうか。
(金子大輔)






