気象業務のさらなる自由化を!
2009年8月30日、第32回気象予報士試験が行われた。気象好きな方・気象業界を目指す多くの方が受験をし、秋には新たな予報士が誕生することだろう。「気象予報士」という資格は、幸いにも知名度が高く、華やかなイメージがある。だが、資格を取得してもすぐに気象の仕事に就くのは容易でないのが現実だ。
もちろん、景気の影響などもあるだろう。だが、もう一つ、「予報士を取得しても、『予報業務許可』を取るまでのハードルが高い」ことが大きな原因であると私は考える。現在、予報業務許可を得ているのはほとんどが法人であり、個人で取るのはきわめて難しい。
もし、個人でも容易に予報業務許可を取れるようになると、事態が大きく変わるのではなかろうか。「法律事務所」のごとく、街角のあちらこちらで「気象予報士事務所」の看板を目にするようになるかもしれない。
個人で予報するとなると、心配されるのが「予報の質」だ。精度の低い予報が出回ると社会が混乱しかねない。たしかに現在の予報士試験に受かった段階だと、実際の天気予報を目の前にしてはまったく歯が立たないはず。そこで、さらに上位試験(難易度は今の予報士試験の5倍くらい)を設け、その試験に通ったら予報業務許可を与える制度にするのはどうだろうか。予報業務許可を与えるまでに、研修を課すのもよいかもしれない。上位試験には、ベテラン予報官でも頭を抱えるような予報問題(南岸低気圧での雨雪判断&積雪量、ゲリラ雷雨を分単位で予報するなど)を出題するのだ。
個人予報士が誕生するメリットとしては、個性豊かな予報士が出てくる可能性があること。「●●盆地の天気なら任せておけ」とか、「寒冷前線に関する降水量なら、1桁単位で当てる」という予報士が生まれてくるかもしれない。もちろん資本主義の原則で、当たる予報士は人気者になり、当たらない予報士は廃業に追い込まれる厳しさがあるが、予報士を取得しても腕を試す機会がなく、「ペーパー予報士」と化していく人が大勢いる現在よりはるかにすばらしいと言えるだろう。
(金子 大輔)






