「夏毛虫」に注目!
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梅雨末期を迎え、自然界もすっかり夏の色が濃くなってきた。その中で、都会でも比較的身近に目にする生き物を紹介する。その名「ヒメシロモンドクガ」。リンゴ、ナシ、スモモ、ウメ、サクラ、クワ、プラタナスなど多種の葉を食べる毛虫だ。黒・黄色・紅色のトリコロールと、歯ブラシのような立派な毛が美しい。
ヒメシロモンドクガの幼虫は6月に多い。7月になって見かけなくなったなと思ったら、8月に再び見かけるようになる。夏の時期、ほぼ一月おきに現れる点から、時の流れを感じさせてくれる存在といえよう。ドクガ科であるが、無毒とされている(私も確認済み)。
とはいっても、皮膚の弱い方は、まれに軽微な発赤を起こす例が知られている。30分程度で治癒するものの、ドクガ科の化学的性質については未知の部分もあるので、無理に素手で触れない方がいいかもしれない。尤も、虫体を傷めるのでチョウ・ガの幼虫を飼育する際には、手で掴まず葉や枝に乗せて運ぶ習慣をつけるようにするとよいだろう。
※似た名前の「モンシロドクガ」は毒針毛を持ち、数日に渡って痒痛感に見舞われる恐れがあるので決して素手で触れないように。日本には数千種の「毛虫」が知られるが、そのうち皮膚に害のあるものは、ドクガ科、イラガ科など10種類程度。
ヒメシロモンドクガは、成長とともに「アクセサリー」を増やしていく。観察するのにもおもしろく、自由研究にももってこいだと思う。まず、頭に黒い毛束の「角」を生じ、尻からも「角」を出す。さらに側面からも「角」が出てきたと思ったら、挙句の果てに背中から歯ブラシ状の飾りまで生やす始末……。
将来はいったいどんな蛾になるのやら、と期待するも、成虫はいたって地味。まるで、「若いときに芸術爆発ファッションで着飾っていた人が、社会人になるとともに落ち着いた服を身につける」ようで、ほほえましさを覚える。あまりイメージのよくない生き物だったかもしれないが、クローズアップしてみると、それなりの愛らしさが見えてくるから不思議だ。
(金子 大輔)





